「我々は~、断固ネルガルに抗議する~!!」
ウリバタケさんを先頭に抗議を行う人達。
「契約書にサインされた方が悪いのです!!」
対するはプロスさんと士官クラスの人達。
「何だと!! こんな細かい項目まで、誰が目を通すって言うんだ!!」
「私は読んだわよ」
「なぁ!?」
間髪入れず否定されウリバタケさん達は絶句しています。
声の主はミナトさんです。
「契約時に書類をきちんと読むのは社会の常識よ常識、ルリルリはこんな大人になっちゃだめよ」
ミナトさんは社長秘書をしていたらしいのでそういう所はきちんとしているんですよね。
「読まなかったあなた方が悪いのです!!」
援軍により勢いに乗ったプロスさんがたたみかけます。
ずず~ん
突然の揺れにたくさんの人が倒れます。
歴史通りですね。
「敵の攻撃です。迎撃の必要があります」
オモイカネからの情報を確認し状況を伝えます。
「皆さん、今は生きる事を考えましょう!!総員第一種先頭配置!!」
ユリカさんの号令がブリッジに響きました。
機動戦艦ナデシコ
once again
第十二話 火星前哨戦
「どけどけどけ~!!」
ピンクの機体が目の前の敵に突撃を敢行していく。
「もう~、アキトさん行きます!!」
光を発する傷跡に紫の機体が続いて飛び込みその跡をさらに引き裂く。
「了解」
とどめとばかりに黒い機体も突入していく。
「お花畑~」
「本当、綺麗だね」
「こっちもやるぞ!!ホウセンカ!!」
赤、黄色、緑の機体が見事なコンビネーションで近づく敵を屠っていく。
「目標、敵チューリップ!!グラビティ・ブラスト、ぅてぇーっ!!」
白亜の戦艦が黒い閃光を放った。
「チューリップの殲滅を確認しました」
「目標を戦艦に変更、グラビティ」
「攻撃来ます!!」
ユリカの命令を遮りルリが叫ぶ。
同時に船体が軽く揺れる。
「艦長!!撤退するべきではないかね」
フクベ提督が慌てて進言する。
「ルリちゃん、被害は?」
「船体へのダメージはありません」
ルリはオモイカネに確認し瞬時に答える。
「大丈夫です!!」
「そうです、提督。木製トカゲを打ち破るためのグラビティ・ブラスト、そしてディストーション・フィールドです」
プロスが力強く力説する。
「目標、敵戦艦、グラビティ・ブラスト、ぅてぇーっ!!」
「残りは戦艦だけですね」
イツキちゃんからの通信が入る。
機動兵器は殲滅済み。さすがに人数が多いと楽だ。
「さて、どうする」
リョウコちゃん達も通信を開いてくる。
「さすがに戦艦は落とせないよね」
「戦艦はさすがにおとせんかん・・・くっくっく」
「根性、努力そして熱血さえあれば落とせない物はない!!」
確かに前回はそれで落としたけど今回は・・・
「そうだな。行こうか」
「「「「「アキト(さん)?」」」」」
「こういう時のためのフィールド・ランサーさ」
セイヤさんに言わせてあげれば喜んだかな。
「ルリちゃん、残りは?」
「1、いえゼロです」
「索敵範囲を限界まで広げて、エステバリス隊は戻して」
「「了解」」
「エステバリス隊は帰還願います」
メグミが通信を送る。
「艦長、索敵範囲内には機影を発見できません」
「ありがと」
「おつかれ」
「おつかれ~」
エステから降りた皆、自販機の前に集まりジュースを飲んだりしてリラックスする。
「しっかし、エステで戦艦を落とせるなんてな」
「そうだよね」
「ゲキガンソードに切れぬ物無し!!」
「フィールド・ランサーです!!」
皆興奮が冷めないようだ。
機動兵器で戦艦を落としたのだから仕方ないか。
「そうだろう、そうだろう。こんな事もあろうかと、作っていおいた物だからな!!」
セイヤさんが力一杯叫び去っていく。
「何しに来たんだ?」
「さあ?」
ぐら
船体がいきなり傾く。
俺はとっさに、手近の人を抱きしめ自動販売機にしがみつく。
「「「「きゃ~」」」」」
「敵、殲滅確認しました」
衛星軌道上から地上部隊に攻撃を敢行中、チューリップ以外ならなんとか倒せます。
はて?何か忘れているような気が・・・?
「ルリちゃん」
目の前にウィンドウが開きます。アキトさんです。
「どうしたんですか?」
帰還してすぐ連絡をくれるなんて嬉しいです。
「重力制御忘れてる」
「えっ!?」
急いでオモイカネに確認を取ります。
・・・確かに
前回はユリカさんの指示がなかったからですが、今回は私のミスですね。
「おわっ!?」
ウィンドウからアキトさんが消えました。
「ルリちゃん、いきなりはきついよ」
アキトさん達の姿が映し出されます。
アキトさんはリョウコさんとイツキさんの下敷きになっています。
ヤマダさんはイズミさんとヒカルさんの下です。
さらに失敗ですね。
「・・・ごめんなさい」
「ナデシコはオリンポス山に向かいます。」
「そこには何があるんですか?」
プロスさんの宣言にユリカが質問する。
「そこにはネルガルの研究施設があるのですよ。我が社の研究施設は、一種のシェルターでして・・・一番生存確率が高いのです。」
「研究資料とかもありますしね」
ぼそっと補足するルリちゃん
「はぁ、まあネルガルも企業でして・・・」
そろそろいいかな。
「済みません、俺にエステを貸して貰えませんか?故郷を・・・ユートピア・コロニーを見に行きたいんです。」
「何を言い出すんだテンカワ!!少ない戦力を分散させるわけにはいかん!!」
俺の科白にゴートさんが過敏に反応する。
「敵に襲われた故郷、それを見つめ新たに誓う・・・行ってこい!!それこそ漢だ!!」
ガイはいつもの如く
「・・・アキト」
ユリカは悲しそうな目で俺を見つめる。
「だめだ!!だめだ!!」
ゴートさんが必死に否定する。たしかに戦力の分散は愚の骨頂だからな。
「・・・かまわん、行ってきたまえ。」
「提督!?」
フクベ提督の一言にゴートが驚く。
「一応、儂の権限が一番上じゃからな・・・」
「むぅ~」
その一言にゴートは押し黙る。
「若者には故郷を見る権利がある」
「ありがとうございます」
俺は深々と頭を下げる。前回と同じとはいえ、提督の傷を抉る行為だからこれ位はしてもいいだろう。
「何、かまわんよ」
現在火星衛星軌道上。
さすがにいきなり火星に降りるような事はしない。
大気圏内に入ってしまえばナデシコ単艦では脱出は困難になる。前回に証明済みだ。
地球での経験があればこそだな。
「アキトさん、気を付けてくださいね」
「分かってるよ」
だからナデシコは衛星軌道上で待機、地上へはヒナギクを使う。
「・・・アイちゃんがいるといいですね」
「そうだね」
アイちゃん・・・そうイネスさん、戻ってきていればいいが
「お~い、アキト。準備はいいか~」
「はい!!今行きます!!」
「じゃ、ルリちゃん」
「行ってらっしゃい、アキトさん」
ルリちゃんは微笑んで送り出してくれた。
ヒナギクを降り、ユートピア・コロニーに向かう。
前回と同じく陸戦。
すこし来るのが遅れたが・・・大丈夫だろう
イネスだけでなく他の人達も助けられればいいんだが・・・
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